将棋の反則行為について(=禁じ手)
いくつかありますが、最低限「二歩」というルールだけは心得ておきましょう。それ以外の反則行為は現れるケースは稀で、将棋を楽しみながら少しずつ覚えていけば良いと思います。なお、禁じ手を行うと正式には即負けになりますが、覚えて間もない内は、直前の局面に戻して続行するほうが現実的です。
二歩
持ち駒は、基本的に空いてるマス目にならどこに置いても(打っても)構いません。ただし、自分の歩がある縦の列に歩を打つことはできません。これを「二歩」と言って、歩の駒にだけに適応される特別なルールです。
「と金」の場合は、その列に歩を打つことが可能です。図の場合だと、先手は2と5の列に持ち駒の歩を打つことができます。ただし、2一と5一の場所には歩を打つことはできません(→身動きの取れない駒)。
千日手
同じ局面が繰り返し現れてしまうことを千日手と言います。4回同じ局面が現れた時点で千日手のルールが成立します。自己申告ですので、4回くらい局面が現れたなと思えば、相手に千日手ですねと目で語りかけましょう。千日手になった場合は、先手と後手を入れ替えてまた最初からやり直します。
ここから少しややこしいルールになりますが、千日手でも「連続王手の千日手」のみ反則行為となります。その場合、王手している側が手を変えなければいけません。
図の例だと、▲4二馬△2二玉▲3一馬△3三玉(=右図)▲4二馬△2二玉▲3一馬△3三玉▲4二馬・・・と千日手の可能性があります。先手が繰り返し指している▲4二馬と▲3一馬、ともに王手であり、かつ連続です。従って、先手側からこれ以外の手を指さなければ反則となってしまいます。
そこで、千日手を回避するために例えば右図の局面で▲3二馬と手を変えてみましょう。しかし、それには△2四玉と安全な場所に逃げられてしまい、先手にとって都合が悪くなってしまう場合も起こりえます。それがお互いに千日手を回避できなくなる要因につながっていたりします。
打ち歩詰め
持ち駒の歩を使って、相手の王様を詰ましてしまうことを「打ち歩詰め」と言います。将棋のルールでは禁じ手となっているので、反則です。
左図の場合、▲1四歩と打てば後手玉は詰む形です。しかし、持ち駒の歩を使っているため「打ち歩詰め」の反則となります。
同じようでも、右図で▲1四歩と指すのは反則にはなりません。持ち駒の歩ではなく、盤上にある駒を動かしているからです。従って、右図で▲1四歩とすれば後手の王様は詰んでいる状態ですから、先手の勝ちとなります。
身動きの取れない駒
「桂」「香」「歩」は前にしか進めない駒なので、上部にいきすぎると動けなってしまうこともあります。
このような場合は必ず成る必要があります。成れば金と同じ動きをするので、バックすることができます。また、持ち駒をそれらの場所に打つことも禁じ手になります。
その他のローカルルール
駒を動かして、その手を離した時点で相手の手番に移ります。相手の手番に移ってしまったのに、やっぱり違う手を指したいからと「待った」する行為は当然反則になります。
また、王手した場合に「王手!」と元気良く発言しなければいけないというルールも存在しません。相手が王手に気が付かなくて、違う手を指してしまった場合は、気が付かなかった人の反則負けとなります。ただし、その人と人間関係を保ちたいなら、王手だよと指摘して、直前の局面から続行するのもやさしさだと思います。