形勢判断のしかた
この局面ではどちらが優勢なのか不利なのか、その形勢判断をする癖をつけておくと将棋の上達につながります。形勢判断は一般的に「駒の損得」「駒の働き」「玉の固さ」の3つの要素から、総合的な判断で決められます。
駒 | 点数 | 成駒 | 点数 |
---|---|---|---|
飛 | 10点 | 龍 | 12点 |
角 | 8点 | 馬 | 10点 |
金 | 6点 | ||
銀 | 5点 | 成銀 | 6点 |
桂 | 4点 | 成桂 | 6点 |
香 | 3点 | 成香 | 6点 |
歩 | 1点 | と | 7点 |
以前、谷川九段の将棋講座で駒を点数に換算していたときの写しです。駒の働きの関係もあるので額面通り当てはめることはできませんが、形勢判断をする際のヒントになります。状況によっては、その点数分の性能を発揮しないまま終わってしまうこともよくあることです。すべての駒が働くよう、心がけることも大切です。
「成銀」「成桂」「成香」「と」はそれぞれ同じ金の働きをしますが、相手に駒を取られたとき元の駒として敵に渡りますから、そのときのリスクの差だけ「と」の価値が高いです。
駒の働き
将棋はいくら駒得して戦力を拡大しても、最終的には王様を取るか取られるかの戦いです。したがって、駒の働きもまた重要な要素になります。
例として、左上のと金をどのように使うかの問題。▲1一と(右上図)として香車を手に入れる手と、▲3二と(左下図)から銀を取りに行く手と、2通りの指し方が考えられます。
右上図と右下図を点数表で比較した場合、右上図はと(7点)+香(3点)=10点。右下図はと金と銀との刺し違えになるので、銀のみの5点です。点数だけ比べるなら右上図の方が良さそうですが、実際のところ1一のと金は半永久的に働くことはありませんので、香車の3点だけのようなものです。例外はありますが、基本的には王様の守りの駒である、金や銀を剥がす方が良い手になりやすいです。